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なぞなぞ

22なぞなぞ
現代語訳:𝑅𝑒𝓁𝒶𝓍 𝒮𝓉𝑜𝓇𝒾𝑒𝓈𝒯𝒱

 


はじめに
グリム童話「漁師とマダム」は、欲望と満足の限界を描いた物語です。貧しい漁師とその妻が、魔法の魚の力を借りて次々と願いを叶えていく中で、彼らの欲望がどこまで膨らむのか、そしてその結果がどうなるのかを描いています。この物語は、欲望が無限に膨らむとき、どのような結末が待っているのかを教えてくれます。

人生の教訓

欲望の限界を知ることの重要性
欲望が無限に膨らむと、最終的には何も得られなくなることを示しています。満足することの大切さを教えてくれます。

感謝の心を持つこと
既に持っているものに感謝し、それを大切にすることの重要性を強調しています。感謝の心がなければ、どれだけ多くのものを手に入れても満足できません。

他人の意見を尊重すること
漁師は妻の欲望に従い続けましたが、最終的にはその結果に苦しむことになりました。他人の意見を尊重しつつも、自分の意見や価値観を大切にすることが必要です。
自然の力を敬うこと
物語の中で、海の状態が変わることで自然の力の偉大さを示しています。自然を敬い、その力を理解することの重要性を教えてくれます。


🍚昔、王様の息子がいて、世界を旅したいという望みを抱き、一人の忠実な従者だけを連れて出かけました。
ある日、大きな森に着きましたが、すっかり暗くなってしまい、宿も見つからず、どこで夜を過ごしたらよいかわからなくなりました。
すると、一人の娘が小さな家に向かっていて、近づいてみるとその娘は若く美しいことがわかりました。王子さまは、その娘に話しかけて、「王子さま、私と従者があの小さい家に泊まれないでしょうか」と言いました。
すると娘は悲しげな声で「ええ、もちろんいいですよ。ただあまり勧めたくないのです。家に入らない方がいいです」と答えました。王子さまが「どうしてダメなんですか?」と尋ねると、娘はため息をつき、「継母が魔法を使います。知らない人に意地悪をするのです」と言いました。
それで、王子さまは、魔女の家なのだととてもよく理解したのですが、暗くなってこれ以上遠くへ行けないし、怖くなかったので、その家に入りました。その老婆は暖炉のそばの安楽椅子に座っていましたが、赤い目で王子様を見て、愛想のいい振りをして、「今晩は。座って休んでください」と言いました。老婆は火を扇いで、小さな鍋で何かを煮ていました。
それで、娘は二人に「用心してください。何も食べないで、何も飲まないで」と警告しました。というのは老婆は、毒入りの飲み物を調合していたからです。二人は早朝まで静かに眠りました。出発の用意をしていて、王様の息子がすでに馬の背に座っていた時に、老婆が「ちょっと待って。先にお別れの飲み物を渡しますから」と言いましたが、それを取りに行っている間に、王様の息子は去ってしまいました。
それで、魔女が飲み物を持って戻ってきたときは、サドルをしっかりはめなければならなかった従者だけが残っていました。「これをご主人のところに持っていきなさい」と老婆は言いました。しかし、その瞬間にコップが割れ、毒は馬に飛び散り、とても強い毒だったので馬はあっという間に死んで倒れました。
従者は主人を追いかけ、起こった出来事を話して聞かせましたが、サドルを置いてきたくなかったので取りに走って戻りました。ところが、死んだ馬のところまでくると、カラスがすでに上に乗ってむさぼり食っていました。「今日これ以上よい物を見つけられるかどうかわからないな」と従者は言いました。それでカラスを殺し持っていきました。
森の中をまる一日進んだけれども、森を抜けられませんでした。夜になると二人は宿屋を見つけ入りました。従者は、夕食の準備のため宿の主人にカラスをあげました。しかしながら、二人は、人殺しの巣に入り込んでいたのでした。闇夜にまぎれて12人の人殺しがやってきました。

殺して金を奪うつもりだったのです。しかし、この仕事に取り掛かる前に、宿の主人と魔女も一緒に夕食の席につき、カラスの肉が切って入れられていたスープを飲みました。
そして2,3口飲み込むや否や、みんな死んで倒れてしまいました。というのは、カラスが馬の肉から毒を移したからでした。結局その家には宿屋の娘以外誰も残りませんでした。
その娘は正直者で、この不届きな行いに関与していませんでした。そしてドアを全部開けて王様の息子にためてあった宝の山を見せましたが、王子さまは「全部あなたが取ってください。私は何も要りません」と娘に言い、従者と一緒に旅を続けました。

 

それから長い間、旅をした後、美しいけれど高慢な王女さまが住んでいる街に着きました。
王女さまは、自分が解けない謎をかけた者を誰でも夫にするが、もし解けなければその者は首をはねられるという布告を出していたのです。
なぞを解くのに3日ありましたが、王女さまはとても賢いのでいつも約束の時間前に出題されたなぞの答を見つけてしまうのでした。
それで、王子様が、街に着き、王女様のあまりの美しさに目がくらみ、すすんで命を賭けようとしたときには、すでに9人の求婚者が命を落としていました。
王子様は王女さまの前に進み、なぞをかけ、「ある人が1人も殺さずに12人殺した。これは何だ?」と言いました。
王女さまにはそれが何かわからず、考えに考えましたが、しかし解けませんでした。なぞなぞの本を開いてみましたが、そのなぞは本にありませんでした。つまり知恵の限界に来ていました。
助かるにはどうしたらいいかわからず、もしかして眠っている間になぞの答を洩らすかもしれないと思い、侍女に王子様の寝室へ忍び込み夢を聴いてくるように命じました。

しかし、賢い従者は主人の代わりにベッドに寝ていて、侍女が来たとき、身を包んでいたマントを剥ぎ取り、棒で追い払いました。
二日目の夜には二番目の侍女を送り、今度こそ首尾よく聞いてくることを期待しましたが、従者はこれもまたマントを剥ぎ取り棒で追い出しました。
三日目の夜には、主人はもう大丈夫だと確信し、自分のベッドで眠りました。
すると、もやがかった灰色のマントを着て、王女さまが自ら来ました。王子様が眠って夢を見ていると考え、多くの人がやるように夢で答を言うだろうと望んだので、話しかけました。
しかし実は王子様は目が覚めていて、何でもとてもよく聞こえ理解したのですがね。
それで「1人が誰も殺さなかった、これは何?」と聞きました。王子様は「カラス。死んで毒のある馬から肉をとって食べ、それで死んだのだ」と答えました。
王女さまはさらにたずねました。「それなのに12人殺した、これは何?」「それは12人の人殺しのことだ。そのカラスを食べて死んだのだ」と答えました。
王女さまはなぞの答がわかったので、そっと帰ろうとしましたが、王子様がマントをとても固く握っていたので、おいていくしかありませんでした。
次の朝、王女さまは、なぞの答がわかったと発表すると、12人の審判を呼びにやり、その前でなぞを解説しました。

しかし王子様は聴聞会を開いてほしいと頼み、「王女さまは、夜に私の部屋に忍び込み質問しました。
そうしなければ答が見つけられなかったはずです。」と言いました。
審判が「その証拠を出しなさい」と言ったので、従者はそこへ3枚のマントを持っていきました。
すると審判は、王様の娘がいつも着ていたもやがかった灰色のマントを見て、
「金銀でそのマントを刺繍せよ、そうすれば婚礼衣装となるだろう」と決定を下しました。

 


なぞなぞの物語はこれにて幕を閉じます。また別の物語の世界でお会いしましょう。ぜひ、チャンネル登録やフォロー、コメントなどで応援してくれると嬉しいです。これからも良い作品を届けられるように頑張ります。